気になる「できもの」を除去してすっきりしましょう
いつの間にかできているできものは、良性であっても気になるものです。時間とともに大きくなるものもあるため、小さいうちに治療しておくことをおすすめします。
できものとしてご相談の多い、粉瘤、脂肪腫、脂漏性角化症についてご紹介します。
【目次】
こんな方はご相談ください
- 見た目が気になる
- 悪性かどうか心配
- できものがどんどん大きくなってきた
- できものが化膿している
- できものがあるせいで生活に支障がある
良性のできもの「粉瘤(アテローム)・脂肪腫」
粉瘤にはこんな特徴があります
- 皮膚に袋状のものができる
- 袋の中には皮脂や角質が入っている
- 少しずつ大きくなっていく
- 顔や耳の後ろ、首や背中にできやすい
- 大きさは数mm~数㎝まで様々
- 皮膚がドーム状に盛り上がる
- 強く押すとドロドロした臭いものが出てくる
- 化膿することがある
脂肪腫にはこんな特徴があります
- 皮膚の下にできる脂肪細胞のできもの
- 脂肪の塊である
- 少しずつ大きくなっていく
- 首や肩、背中にできやすい
- 大きさは数mm~10㎝以上のものまで様々
- 皮膚がドーム状に盛り上がる
- 触れるとやわらかい
- 良性の腫瘍である
粉瘤と脂肪腫の治療方法
切除法
腫瘍上の皮膚を切開して腫瘍を摘出し、傷跡がきれいになるように縫合します。抜糸は、約1週間後に行います。
粉瘤は、中身だけでなく包んでいる袋まで摘出します。粉瘤が化膿している場合には、先に薬物療法で炎症を抑えてから手術します。化膿がひどい場合には、切開して膿を排出した後、炎症が落ち着いてから摘出手術となります。
脂肪腫は、腫瘍を周囲の組織から剥がして摘出します。ある程度大きい腫瘍の場合には、縫合した皮膚の下に血液がたまらないよう、ドレーン(血液を排出するための管)を留置することがあります。
よくあるご質問
痛みはどれくらいありますか?
局所麻酔を使用するため、注射をする痛みはありますが、施術中の痛みはありません。施術後の痛みは、鎮痛剤でコントロールすることができます。
傷跡は残りますか?
切開する大きさは最小限になるようにとどめ、傷跡が目立たなくなるよう細心の注意を払って縫合します。
腫瘍の位置や大きさによりますが、縫合した跡は時間とともに落ち着いていき、半年ほどすると目立たなくなります。腫瘍部分が化膿している場合には、傷跡が落ち着くまでに時間がかかります。
シャワー浴や入浴はいつからできますか?
患部を濡らさないのであれば、施術当時からシャワー浴をしていただけます。患部も含めたシャワー浴は、翌日から可能です。入浴は、抜糸が済むまで控えましょう。
施術後に注意することは?
患部をこすったり、圧迫したりしないようにしましょう。腫瘍の位置や大きさによりますが、抜糸が済むまでは傷口が開くような激しい運動を控えてください。
治療しないといけませんか?
粉瘤と脂肪腫は良性腫瘍なので、早急に治療が必要なものではありません。けれど放置していると少しずつ大きくなってしまうため、小さなうちに治療しておくとよいでしょう。小さいうちに摘出した方が、傷跡が目立たなくてすみます。
自分で取り除こうとすると、皮膚を傷つけたり感染を起こすおそれがあるためやめましょう。
再発することはありますか?
手術で腫瘍を全て摘出した場合、基本的に再発する可能性はありません。しかし粉瘤や脂肪腫はどこにでもできる可能性があるため、他の部位にできる可能性はあります。
悪性かどうかを調べることはできますか?
摘出した腫瘍を、病理組織学的検査に提出することで調べることができます。
保険は適用されますか?
粉瘤、脂肪腫ともに保険が適用されます。
良性の老人性イボ「脂漏性角化症」
脂漏性角化症にはこんな特徴があります
- 加齢に伴って増えていく
- 手のひらや足の裏以外にできる
- 色は茶色~黒色や皮膚に近い色のものが多い
- 大きさは数mm~数㎝と様々で隆起しているものもある
- あると老けて見える
- 良性である
脂漏性角化症の治療方法
凍結凝固療法
イボに液体窒素をつけ、冷凍して壊死させます。大きさによっては、複数回の施術が必要になります。局所麻酔は必要ありませんが、液体窒素をつけた後しばらくは痛みがあります。
治療が簡単で、手軽にできるという利点があります。
電気焼灼法
電気メスによって、焼灼しながらイボを削り取ります。施術には局所麻酔を使用するため、施術中の痛みはありません。
焼灼しながら削り取るため、ほとんど出血がないという利点があります。
炭酸ガスレーザー
炭酸ガスレーザーを照射して、脂漏性角化症の組織を蒸散させ除去します。施術には局所麻酔を使用するため、施術中の痛みはありません。
肌への負担が少なく、傷跡が残りにくいというメリットがあります。
切除法
メスで切開してイボの部分を切除し、縫合糸で縫合します。抜糸は約1週間後に行います。施術には局所麻酔を使用するため、施術中の痛みはありません。
悪性のおそれがある場合、病理組織学的検査を希望される場合にも適しています。
よくあるご質問
施術後の患部はどうなりますか?
凍結凝固療法、電気焼灼法、炭酸ガスレーザーの場合、数日すると患部にかさぶたができ、自然にはがれ落ちます。はがれた跡の皮膚はピンク色をしていますが、次第に色が変化して周りの皮膚になじんでいきます。イボの位置や大きさによって患部に軽度のくぼみが生じることがありますが、時間とともに組織が盛り上がって目立たなくなります。
イボの位置や大きさ、肌質によって異なりますが、3?6か月ほどすると傷跡はほとんどわからなくなります。
切除法の場合、縫合した跡は時間とともに落ち着いていき、半年ほどすると目立たなくなります。
洗顔やメイクはいつからできますか?
当日から洗顔していただけます。テープを貼っている場合は、濡れたら貼り替えましょう。
患部をテープで保護し、その上からメイクをするのであれば翌日からメイクしていただけます。患部にメイクをするのは、傷跡が塞がってテープが必要なくなるまで控えましょう。切開法の場合、患部のメイクは抜糸がすんでからとなります。
施術後に注意することは?
こすったり圧迫したりして、患部に刺激を与えないようにしてください。かさぶたができた場合には、無理やりはがさず自然にはがれるのを待ちましょう。
日焼け止めなどを活用して、紫外線対策をしっかりとすることが大切です。