突然現われ跡を残さずに消退する蕁麻疹とは
4~5人に1人が発症するといわれている蕁麻疹は、原因がはっきり特定できないことも多い疾患です。皮膚の一部が突然赤く盛り上がることから、驚かれる方も多いと思います。蕁麻疹が起こる原因や誘因になるおそれがあるもの、治療法や対処法についてご紹介します。
【目次】
蕁麻疹になるとどんな症状が現れる?
皮膚の一部が赤く盛り上がります。大きさは様々で、1mm程度の小さなものから10㎝以上になるものまであります。隣のものと融合して、体の表面を覆うこともあります。形には楕円形や線状、花びら状や地図状などいろいろなものがあります。
ほとんどは強いかゆみを伴いますが、チクチクした感じや焼けるような感じが生じることもあります。
突然現れて少しすると跡形もなく消退するのが特徴で、大抵は数十分~数時間のうちに消退します。けれど中には、半日~1日程度症状が続く場合もあります。
ほとんどは1回だけ、もしくは数日で現れなくなりますが、中には1か月以上繰り返し症状が現われて慢性蕁麻疹になる場合もあります。
何が原因で蕁麻疹になるの?
蕁麻疹を引き起こす原因には様々なものがあり、原因がわからないものも多くあります。特に、慢性蕁麻疹は原因の特定が難しいといわれています。
蕁麻疹の主な原因は、何らかのアレルギーが原因となって起こるアレルギー性のものと、アレルギー以外が原因となって起こる非アレルギー性のものの二つに分けることができます。
アレルギー性蕁麻疹
食物や薬剤などのアレルギーが原因で起こります。即時型アレルギーが多く、アレルギーとなる物質を摂取してから30分以内に発症することが多くなっています。症状が慢性的に続く場合は、内臓疾患を合併するおそれがあります。
非アレルギー性蕁麻疹
皮膚の圧迫や日光、発汗やストレスなどアレルギー以外が原因で起こります。かゆみだけでなく、痛みを伴う場合もあります。原因となりえるものは多岐にわたり、原因を特定できないことも多くあります。
蕁麻疹の原因や誘因になるおそれのあるもの
蕁麻疹の原因や誘因になるものは数多く、個人によって異なります。体質や体調、何らかの外的要因などが結びついて症状が現れるため、原因や誘因となるものを摂取したとしても、必ず発症するわけではありません。
原因や誘因となるおそれのあるものには、次のようなものがあります。
- 食物:サバ、マグロ、カニ、エビ、肉類、卵、乳製品、大豆、小麦、そば
- 食品添加物:保存料、着色料、香料
- 薬剤:抗生物質、解熱鎮痛剤
- 植物:イラクサ、ゴム
- 昆虫:ハチ
- 物理的刺激:寒冷、温熱、日光、振動、摩擦、圧迫
- 運動
- 発汗
- 内臓・全身性疾患:血液疾患、膠原病、血清病
- 疲労:身体的疲労、精神的疲労
- ストレス
- 感染症:ウイルス、細菌、真菌
蕁麻疹の治療法は?
蕁麻疹を引き起こす原因や悪化因子が分かっている場合には、それらを生活から取り除くことが大切です。
それと共に、抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の内服による薬物治療を行います。抗ヒスタミン薬などの外用薬を併用する場合もあります。
薬物治療は症状が出ているときだけでなく、再発予防のため症状が消退した後も治療を続けることが大切です。
薬物療法を行うことで症状を軽減し、悪化するのを防ぐことができます。
蕁麻疹にならないために
蕁麻疹が出たときの状況をチェックしておく
蕁麻疹を防ぐには、蕁麻疹が起こる原因や誘因を特定することが大切です。そのためにも、蕁麻疹が起こったときの状況や体調、蕁麻疹の原因や誘因だと考えられるものをチェックしておきましょう。蕁麻疹は繰り返しかかることがあるため、情報を整理しておくと次にかかったときの治療や対処に役立ちます。
蕁麻疹の原因がわかっている場合にはそれを除去する
蕁麻疹の原因が分かっている場合には、それらを生活から取り除くようにしましょう。けれど蕁麻疹は複数の要因が重なって発症することが多いため、必ずしも食べ物など一つの要因を厳しく除去しなくてはならないわけではありません。必ず除去するのか、少しの量であれば問題ないのか、体調が悪いときだけ避ければいいのかなど、原因や誘因、症状の程度などを考慮して検討するとよいでしょう。分からない場合や心配な場合にはご相談ください。
体調管理
心身の疲労やストレスは蕁麻疹の誘因になりやすいため、しっかりと休息をとって心身を休めましょう。自分に合ったストレス発散法を見つけて、ストレスをためないようにすることも大切です。睡眠を十分にとり、規則正しい生活を心がけましょう。
疲れているときやストレスがたまっているときは、いつもより蕁麻疹に注意する必要があります。原因になりやすい食材を避けたり、食品添加物の少ない食べ物や新鮮な食材を選びましょう。
迫や日光など、皮膚の刺激となるものは避けるようにしてください。運動や発汗が蕁麻疹を引き起こすこともあるため、体調がすぐれないときは無理しないようにしましょう。